2023/09/10 11:40

秋の花を代表する妖艶なヒガンバナ。非常に丈夫で育てやすく、道端や田んぼなどに広く群生する、中国原産の球根植物。地下の鱗茎(球根)には強い毒性分があり、田んぼの畔をモグラなどの動物から守るために植えられたことと、救荒作物として、鱗茎のデンプンを毒抜きして食べたという文献が残っている。お墓に多いのも、小動物から守るために土葬した後に守り神として植えられた。ギリシャ神話の女神・「海の精リコリス」からその名前が付けられている。英語ではレッドスパイダーリリー(赤い蜘蛛のような百合)などとも言われている。日本では秋の彼岸の頃に茎だけを伸ばして鮮やかな紅色の花が咲くことから名付けられた。別名の曼珠沙華(マンジュシャゲ)はヒンズー教のサンスクリット語で、「赤い花」「葉に先立って赤い花を咲かせる」という意味に由来している。マイナスなイメージの強い彼岸花、固定概念を打ちこわし、新鮮な目でヒガンバナを愛でてみませんか?


栽培方法メモ


用土 水捌けが良い用土が好ましいが保水性が必要。

・赤玉土5:鹿沼土3:堆肥2  等

・クリスマスローズの培養土や、花壇苗用の培養土でも育つ


植替え時期   基本的に休眠中の夏が良い。6月下旬8月上旬

鉢栽培では毎年植え替えることが好ましい。


        花を咲かせるためにはゴルフボールの大きさを5号鉢に一球

大きめのプランターに何球か植えることも可能。

狭い場所、浅い場所を嫌う。

*小さい鉢に植えると球根が植えるが花が咲かなくなる


水やり     年間を通して乾かさないほうが良い。掘り上げて球根を乾かすと調子を崩すので、植えっぱなしの管理が好ましい。


管理場所     基本的には丈夫なので日の当たる場所で管理をする。可能なら猛暑の時は木陰に持っていくとよい。耐寒性は-5~-10℃くらいだが霜よけをした方が成長はよい。


増殖         基本的には分球で増える。毎年2~3球に増えるのが通常であるが、球根が込み合ってしまうと大量に増えることもある。分球したものは大きい球であれば毎年~1,2年。小さい球根に分かれてしまうと開花サイズになるまで3~4年かかることもある。


病害虫     あまり目立った病害虫被害はないが、スイセンハナアブ、ハマオモトヨトウムシが付く可能性があります。夏の終わり(お盆過ぎ)と春にオルトラン粒剤などをまき、予防をするとよい。


肥料      肥料は好きな方である。花が咲き終わり葉が出てくる10月上旬~葉が枯れる5月まで切らさないほうが好ましい。IB化成や油粕などの、一般的な花の肥料を与えるとよい。